逮捕されるかどうかは、どのようにして決まるのか?

在宅になるのか、逮捕されるのか。元警察官の経験も踏まえつつ、その区別はどのようになされるのかご説明します。

逮捕状が請求されて後日逮捕されるケースでは、主に「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(逮捕の理由)」「逮捕の必要性」という2つの法的要件によって決まります。

1. 逮捕の理由(犯罪の嫌疑)

まず、被疑者が特定の罪を犯したことを疑うに足りる「相当な理由」があるかどうかが問題となります。

  • 物的証拠
  • 目撃供述
  • 防犯カメラ
  • 犯行の自供
  • 指紋・DNA・遺留品
  • 犯行の動機がある
  • 犯行可能性がある

2. 逮捕の必要性

嫌疑があっても、強制的に身柄を拘束する「必要性」がなければ逮捕状は発付されません。以下の事情を総合的に考慮して判断します。

  • 逃亡のおそれ: 被疑者の年齢、境遇、定まった住居の有無、家族関係、職業などが考慮されます。
    • 例えば、安定した仕事があり家族と同居している場合は、逃亡のおそれが低いと判断されやすくなります。
  • 罪証隠滅のおそれ: 証拠を隠滅したり、関係者に口裏合わせを働きかけたりする現実的な危険性があるかどうかが検討されます。
    • 客観的な証拠がすでに押収されている、被害者や目撃者と会うことが不可能に近い、被疑者が事実を認めている場合などは、隠滅のおそれが低いと判断される可能性が高まります。

3. 軽微な事件における制限(逮捕の制限)

法定刑が非常に軽い罪(30万円以下の罰金、拘留、科料)については、逮捕の要件がより厳格になります。以下のいずれかの場合に限り、逮捕が可能となります。

  • 被疑者が定まった住居を有しない場合
  • 正当な理由がなく、出頭の求めに応じない場合

4. 弁護活動による「逮捕・勾留」の回避

逮捕される可能性、あるいは逮捕後に引き続き拘束される(勾留)可能性を左右する要素として、弁護人による働きかけがあります。

  • 早期の示談: 被害者との示談が成立している、あるいはその見込みがあることは「勾留の必要性」を低下させる重要な要素となります。
  • 身元引受人の確保: 家族や勤務先の代表者が、釈放後の監督を誓約し、身元引受書を提出することで、逃亡や罪証隠滅の恐れがないことを説得的に主張できます。
  • 任意捜査への協力: 正当な理由なく出頭を拒否せず、任意の取調べに応じている事績も、逮捕の必要性を否定する事情となります。

まとめると、逮捕される可能性は、「証拠に基づく犯罪の疑いの強さ」に加え、「住居の安定性や家族・職場の監督体制」、そして「捜査への協力姿勢や示談の状況」といった複数の要素から判断されることで決まります。

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