不貞慰謝料の相場は、一般的に100万円から200万円程度とされており、裁判例の多くもこの範囲に収まる傾向があります。
1. 慰謝料額の全体的な傾向
不貞慰謝料請求訴訟において、認容される金額は200万円以下が全体の約64%を占めています。具体的な内訳は以下の通りです:
- 100万円未満:15%
- 100万円以上200万円未満:49%
- 200万円以上300万円未満:30%
- 300万円以上:6%
現在の裁判実務では300万円を超えるケースは稀であり、高額化を避ける傾向にあります。
2. 夫婦関係の状況による違い
離婚に至るかどうか、または別居しているかといった状況によって相場が変動します:
- 婚姻継続(破綻予定を含む):数十万円〜100万円
- 別居・離婚調停・離婚済:100万円〜200万円
3. 金額を左右する主な要因(増減額要素)
慰謝料の算定にあたっては、以下のような諸般の事情が総合的に考慮されます:
- 不貞行為の態様:期間の長さ、頻度、回数が多いほど増額事由となります。
- 婚姻期間の長さ:夫婦としての婚姻期間が長いほど、不貞による精神的苦痛が大きいと判断され増額される傾向にあります。
- 不貞前の夫婦関係:円満であった場合は増額され、不貞前から既に悪化・形骸化していた場合は減額(あるいは棄却)の対象となります。
- 子の有無:未成熟の子(特に幼い子)がいる場合は、家庭崩壊による影響が大きいとして増額事由になります。
- 反省の態度:不貞を認めて謝罪しているか、あるいは不誠実な対応に終始しているかも金額に影響します。
4. 特殊なケース(高額な慰謝料)
悪質なケースでは300万円程度まで認められることもありますが、それ以上の高額請求(例:1000万円など)が認められることは一般的ではありません。芸能人のニュースなどで数千万円〜億単位の金額が報じられることがありますが、これは当事者に特別な資力があり、双方が合意した場合の例外的なケースであり、一般的なサラリーマンの事案には当てはまりません。もっとも、相手方にも秘密が明るみにならないことのメリット(家庭持ちなど)があり、そのために一般よりも高額な賠償が受けられるケースもあります。