刑事告訴・告発は誰ができるの?

はじめに

告訴や告発は、誰でもできるわけではありません。資格のない人が告訴をしても受け付けてもらえませんし、たとえ受け付けられても無効になってしまいます。せっかく準備しても意味がなくなってしまうので、事前に「自分は告訴できる人なのか」を確認しておくことが大切です。

告訴ができるのは誰?

告訴ができるのは、法律で決められた「告訴権者」と呼ばれる人だけです。

被害者が生きている場合

① 被害者本人

直接被害を受けた本人は告訴できます。たとえば、暴行を受けた人や、名誉を傷つけられた本人などです。

ただし、間接的な被害者は告訴できません。たとえば、「妻の名誉を傷つけられた夫」は間接的な被害者にすぎないので、告訴できません。

被害者が複数いる場合(共有物が壊された場合など)は、それぞれが告訴できます。また、被害者が会社などの場合は、その代表者が代わりに告訴できます。

② 被害者の法定代理人

被害者が未成年の場合は親権者(法律上の親)または未成年後見人、成年被後見人(判断能力が不十分な大人)の場合は成年後見人が、本人とは別に独立して告訴できます。

重要なポイント:

∙ 法定代理人は、被害者本人が「告訴しない」と言っていても、それに関係なく告訴できます

∙ 被害者本人の告訴期間が過ぎていても、法定代理人の期間が残っていれば告訴できます

∙ 法定代理人がした告訴を、被害者本人が取り消すことはできません

被害者がすでに亡くなっている場合

被害者が告訴をする前に亡くなった場合は、配偶者・直系親族・兄弟姉妹が告訴できます。

ただし、被害者が生前に「告訴しない」という意思を示していた場合は、告訴できません。これは、法定代理人の場合(被害者の意思に関係なく告訴できる)とは異なる点です。

法定代理人が犯人側の人間である場合

法定代理人が次のいずれかに当てはまる場合は、被害者の親族が代わりに告訴できます。

∙ 法定代理人自身が犯人(被疑者)である

∙ 法定代理人が犯人の配偶者や近い親族である

このような場合、法定代理人が犯人をかばおうとする可能性があるため、親族が独立して告訴できるようになっています。

名誉毀損罪の特別なケース

亡くなった人の名誉を傷つけた場合、その親族や子孫が告訴できます。亡くなった本人は自分で告訴できないため、代わりに告訴できる仕組みです。ただし、生前に「告訴しない」という意思を示していた場合は、その意思に反して告訴することはできません。

告訴できる人がいない場合(親告罪)

告訴できる人がいない、または告訴できる能力がない場合は、検察官が利害関係のある人(友人・親族・雇用主など)の申し立てによって、告訴できる人を指定することができます。

告発ができるのは誰?

告訴と違って、告発は基本的に誰でもできます。 個人でも、会社などの法人でも構いません。

ただし、一部の犯罪(選挙関連の犯罪・関税法違反など)は、特定の役所や公的機関しか告発できないと法律で決まっています。

親告罪(告訴が必要な犯罪)に注意!

親告罪では、第三者が告発しても意味がありません。犯人を処罰してほしい場合は、告訴権者が「告訴」をする必要があります。また、親告罪の告訴期限は犯罪が終了し、犯人がわかった日から6か月以内です。

仮に犯人がわかっていても、犯罪が終了していないようなケースでは期限が経過していないことになります。

具体例では、SNS上での名誉毀損記事が継続的に掲載されている場合です。この場合には掲載が続く限り犯罪が継続するので、掲載取消しされるまで、犯罪が終了しません。

公務員の場合

公務員は、仕事に関連して犯罪を発見したときは告発する義務があるとされています。ただし、実際に告発するかどうかは、犯罪の重大さや状況を総合的に考えて判断することとされています。

自分が告訴できる人かどうかわからない場合や、告訴状の書き方で困った場合は、弁護士に相談することをおすすめします。法律の専門家に依頼すると、告訴状の作成から警察への対応まで、スムーズに進めてもらえます。​​​​​​​​​​​​​​​​

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