証拠がなくても刑事告訴できる?

証拠がなくても告訴できる可能性がある

「告訴するには証拠が必要」と思われがちですが、完璧な証拠がなくても告訴が受け付けられる可能性があります。そもそも証拠を集めるのは警察や検察の仕事であり、被害者に証拠をそろえる義務はありません。

証拠には大きく2種類あります。

客観証拠(物的証拠):犯罪に使われたナイフや、現場の写真など、客観的に事実を示すもの。人が作り出しにくいため、信用性が高い証拠とされます。

人証:人の記憶や体験をまとめた証拠。供述調書・陳述書・証人の証言などがこれにあたります。

客観証拠がなくても、人証だけで告訴が受理されることがあります。たとえば痴漢などの性犯罪は、そもそも物的証拠が残りにくいため、被害者が作成した陳述書などの人証だけで告訴できるケースがあります。

証拠がない場合にやること

① 事件の経緯をメモにまとめる

客観証拠がない場合は、まず今までの出来事を詳しくメモにまとめましょう。 時系列のあるメモがあると、警察も事件の内容を把握しやすくなります。また、口で説明するより正確に伝えられ、メモ自体も一種の証拠になります。

メモに書くべき内容:

∙ 事件に至るまでの経緯

∙ 被害者と加害者の関係

∙ 犯罪が起きた日時・場所

∙ 加害者の具体的な行動・方法

∙ 犯行後の状況

具体例(暴力を受けた場合):

∙ どんな状況で殴られたか(言い争い中か、突然か)

∙ 相手との位置関係・体勢

∙ 右手で右ほほを殴られた、など具体的な動き

∙ ケガの内容

時間・場所・方法はできるだけ詳しく書くほど信用性が上がります。

② できるだけ早くメモを作る

事件から時間が経つほど記憶はあいまいになります。事件直後に書いたメモと、時間が経ってから書いたメモでは、証拠としての価値が全く違います。警察も「なぜすぐに来なかったのか」と疑問を持つことがあります。

告訴すると後で供述調書を作ってもらえますが、呼び出しまで数か月かかることもあります。記憶が新鮮なうちに、早めにメモをまとめておきましょう。

③ 陳述書を作成する

メモよりも正式な書類として「陳述書」を作成するとさらに有効です。陳述書とは、被害者や目撃者などが体験した内容をまとめた書面です。

∙ 本文はパソコンで作成してもOK

∙ 日付・署名・ハンコ(認印でOK)は自筆で

∙ 目撃者や関係者にも陳述書を書いてもらうとより効果的

④ 時系列表を作成する

メモや陳述書とは別に、事件の流れを時間順に整理した「時系列表」を作ると、警察が全体の流れを把握しやすくなります。

⑤ 公証役場で「確定日付」をもらう

自分で作ったメモや書面の信用性を高める方法として、公証役場(こうしょうやくば)で確定日付を付けてもらう方法があります。公証役場の公証人は元裁判官や元検察官などの法律の専門家で、犯罪事実を証明するために必要な内容を正確に書面にまとめてくれます。

弁護士に相談するとさらに安心

弁護士に相談すると、どんな証拠が必要か・どのように証拠をまとめればいいかをアドバイスしてもらえます。本人だけでなく目撃者や関係者の陳述書も作成してもらえ、告訴が受理されやすくなります。

証拠がなくても、まずはあきらめずに動くことが大切です。困ったときは弁護士に相談してみましょう。​​​​​​​​​​​​​​​​

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