被害届と告訴状の違い
犯罪被害にあったとき、警察に申告する方法は主に2つあります。
被害届は「こんな出来事がありました」と知らせるだけの書類で、その後の捜査は警察の判断に任されます。
告訴状(刑事告訴)は「犯人を捜査して罰してください」と強く求めるもので、受理されると警察は速やかに捜査を行い、検察官は起訴・不起訴を決めた上でその結果を被害者に伝える義務が生じます。
この強い効力があるからこそ、警察は告訴状を受理したがらず、様々な理由をつけて断ってくることが多いのが現状です。
告訴状が受理されない7つの理由(と問題点)
理由①「記載内容に不備がある」
告訴状に決まった書き方はなく、不足している部分があれば警察が捜査で補うのが本来の仕事です。とはいえ断られないためにも、わかる範囲でできるだけ詳しく書きましょう。
理由②「証拠が足りない」
証拠を探すために捜査するのが警察の役割ですから、証拠不足は告訴を断る理由になりません。ただし実際には証拠がないと断られやすいため、できる範囲で証拠を集めておくことが重要です。
理由③「犯罪にあたらない」
たとえば投資詐欺の被害を申告しても「個人間のお金のやりとりだから犯罪ではない」と断られるケースがあります。しかし犯罪にあたるかどうかを最終的に判断するのは裁判所であり、警察が独自に決めることではありません。
理由④「民事(個人間の問題)だから警察は関係ない」
知人による詐欺でも「個人間のことは関われない」と追い返されるケースがあります。しかし詐欺は明らかに犯罪であり、民事不介入の原則はあてはまりません。
理由⑤「犯罪の事実がはっきりしない」
「倉庫から商品がなくなっている気がするが、防犯カメラがないので確証がない」というようなケースで断られることがあります。ただし犯罪の事実が100%明らかでなくても告訴はでき、細かい事実関係は警察が捜査して明らかにするべきことです。
理由⑥「被害が小さい」
「この程度では刑事事件にならない」と断られることがあります。しかし法律上、被害の大きさで告訴できるかどうかが決まるルールはありません。被害による苦しさは被害者自身が判断することで、警察が決めることではありません。
理由⑦「担当者の知識不足」
意図的に断っているケースだけでなく、担当の警察官がルールを正しく知らないために「できない」と言ってしまっているケースもあります。「警察には告訴を受理する義務がある」という知識を持って、しっかりと交渉する姿勢が必要です。
弁護士に相談するとできること
一人で警察と交渉して告訴を受理させるのは、現実的にとても難しいことです。刑事告訴に詳しい弁護士に相談すると、次のようなサポートを受けられます。
∙ 受理されやすい告訴状の作成
∙ 証拠集めのアドバイス
∙ 警察への同行と、正しく受理するよう強く働きかける
∙ それでも断られる場合は、上位組織(警察本部など)や検察に直接告訴する(直告)
告訴状を断られてあきらめてしまう前に、まず弁護士に相談してみましょう。クラリア法律事務所でも、犯罪被害に遭われた方のご相談をお受けしています。