はじめに
警察は「証拠が足りない」「犯罪にあたらない」「民事(お金の問題)で解決できる」などの理由で、告訴を受け付けてくれないことがあります。この記事では、告訴をするための準備の仕方や、告訴状の書き方、受け付けてもらいやすくするコツを説明します。
告訴する前にやっておくべき準備
① 告訴の条件を満たしているか確認する
告訴するには、必要な条件を満たした「告訴状」という書類と、それに添付する資料を用意しなければなりません。
告訴状には、次のことをできるだけ正確に書きましょう。
∙ 犯罪が起きた日時・場所
∙ どんな被害を受けたか
∙ 犯人の特徴
また、事件が起きた背景や、関係する人たちの関係も調べておきましょう。
親告罪(告訴が必要な犯罪)の場合は、犯人がわかった日から6か月以内に告訴しなければ無効になるので注意が必要です。
被害者以外の人が告訴する場合は、「告訴できる権利がある」ことを証明するための戸籍謄本などが必要になることもあります。
② 証拠を集める
証拠はできるだけ早く集めて、大切に保管しましょう。
∙ 防犯カメラの映像:時間が経つと消えてしまうことがあるため、早めに保存する
∙ 帳簿・レシート・契約書などの書類:他の書類と混ざらないよう、別に保管する
∙ 目撃者や関係者の証言:時間が経つと記憶が薄れるため、メモに残しておく
③ 事前に警察に相談する
いきなり告訴状を持っていっても、その場で受け付けてもらえないことが多いです。まずは警察署の担当者に事前に相談し、告訴状のコピーを見せながら「告訴したい」と伝えましょう。担当者から「どんな証拠が必要か」「書類に不備はないか」などのアドバイスをもらえます。
ただし、相談に時間をかけすぎて期限(親告罪の6か月)を過ぎないように注意してください。
告訴状の書き方と提出
告訴状に書くこと
告訴状には決まった書き方はありませんが、少なくとも次のことは必ず書きましょう。
∙ 告訴する人の住所・氏名・連絡先
∙ 提出先(例:「〇〇警察署長殿」)
∙ どんな犯罪があったか(日時・場所・被害の内容など)
∙ 犯人を罰してほしいという意思
犯人がわかっている場合はその情報も書きます。事件の背景や関係者の関係なども詳しく書くと、警察が捜査しやすくなります。
書類として整った形にするため、提出日と告訴する人のサイン・ハンコも忘れずに。
全てを完璧に特定できなくても大丈夫です。ただし、あまりにも内容が不明確だと受け付けてもらえないため、わかる範囲でできるだけ具体的に書きましょう。
提出と受理
告訴状を提出しても、受け付けてもらって初めて効力が生まれます。 警察が受け取っただけでは不十分です。
次のような場合は受け付けてもらえないこともあります。
∙ 書いている内容が犯罪にあたらない
∙ 文章の意味がわからない
∙ 告訴の期限が過ぎている
また、警察がコピーを預かった状態で、正式な受理を待つ場合もあります。受理されたら速やかに捜査が始められるよう、必要な情報をあらかじめ準備しておきましょう。
なお、弁護士に頼むと、告訴状の作成だけでなく、警察への相談・証拠収集・告訴状の提出まで全て代わりにやってもらえます。
受け付けてもらいやすくするためのポイント
① 告訴状に必要なことを全部書く
書き忘れがないか、提出前にしっかり確認しましょう。
② 「示談金(お金)目的ではない」と示す
警察は、お金(示談金)をもらうためだけに告訴しようとしていると感じると、受け付けたがりません。「犯人をきちんと罰してほしい」という気持ちが伝わるように説明しましょう。
すでに犯人とお金の交渉を始めている場合は、「それでもあえて告訴する理由」をしっかり説明することが大切です。
③ 警察からの協力依頼にすぐ対応する
「書類を直してほしい」「関係者から話を聞きたい」などと言われたら、できるだけ早く対応しましょう。協力する姿勢を示すことが、受理への近道です。
警察がコピーを預かったまま受理を保留にしている場合は、定期的に連絡して進み具合を確認しましょう。
それでも受け付けてもらえない場合は弁護士に相談を
準備をして告訴状を提出しても受け付けてもらえない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士であれば、事実が法律的に犯罪にあたるかどうか、証拠として使えるかどうかを専門的な視点で判断してくれます。また、告訴状の書き方も、犯罪として成立すると警察が判断しやすい形に整えてくれます。
告訴が受理されずに困ったときは、クラリア法律事務所にご相談ください。